はじめに |
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サステナブル経営格付2006は、 |
1. |
地球環境の維持・保全・回復と、持続可能な文明社会の構築に貢献する方向に、 |
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大きな力を持つ組織、当面、企業の活動を向ける |
2. |
組織、取分け企業経営の持続的発展を可能とする基盤の整備に貢献する |
3. |
組織・企業のマルチステークホルダ・コミュニケーションに資する |
ことを目的として、2006年10月〜2007年3月の間において実施され、2007年度環境経営学会 |
研究発表大会(第7回グリーン五月祭)において結果の報告を以って完了しました。 |
2006年度格付の狙いや枠組みは、基本的には2005年度の狙いや枠組みを踏襲しました。 |
すなわちサステナブル経営の定義は2005年度と同様次のとおりとしました。 |
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企業は社会の公器であるとの認識の下に、持続可能な社会の構築に企業として貢献することを経営理念の一つの柱と定めて経営を進め、社会からの信頼の獲得と経済的な成果を継続的に挙げることによって真の企業価値を高め、企業の持続的発展を図る経営
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また格付の枠組みに関しても、2005年度の枠組みを基本的に踏襲し、「分野」と「評価側面」は |
原則として変更せず、「あるべき姿」、「設問」、及び「必須要件」の変更は最小限にとどめる一方、 |
一部の「評価基準」をより明確化、厳格化しました。この結果、従来以上に高度な対応を要求する |
項目も出現することとなりました。 |
今回の格付活動は、独立行政法人地球再生保全機構の地球環境基金の助成事業として推進 |
されました。 |
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評価結果の概要 |
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2005年度との比較は、評価基準の厳格化、対象企業数の変化等から、厳密にはあまり適切とは |
言えないものの、参加企業の平均評点獲得率(以下獲得率という)は「総合(全評価側面平均)」 |
ではほぼ横ばいとなりましたが、分野別には「経営」と「社会」では、前年度に比べそれぞれ向上 |
したのに対し、「環境」では大きく低下する結果となりました。 |
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図表-1 評価側面別評点獲得率 |
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これは、環境分野の「物質・エネルギー管理」、「輸送に伴う環境負荷の低減」の2側面の評価基準を |
より厳格化したことによると思われます。これらの2側面に加えて、「生物多様性の保全」を含む3側面に |
関して、学会はあえて一歩、二歩先を展望した判断基準を提起しました。学会は、地球温暖化の防止や、 |
有限な資源・エネルギー問題、生態系保全といった課題を地球レベル、国家レベルで推進すべき課題と |
認識しつつも、個別企業の果たすべき責務のあり方としても一石を投じております。 |
社会分野は、全体として向上の跡が見えますが、「CSR調達の推進」と「地域社会の共通財産の構築」 |
が他の側面と比較して依然として低位にあります。その中で特筆すべきは、「CSR調達の推進」につい |
ては、部品調達先の裾野が広いエレクトロニクス産業を中心に、CSR調達の方針を導入する企業が |
一段と増加したことなどを背景として、若干ながら向上したことです。 |
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おわりに |
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最後に、多忙な中、学会のサステナブル経営格付2006に参加いただいた、格付参加企業、 |
研修会参加企業の皆様に心からお礼を申し上げます。今後ともサステナブル経営のトップ |
ランナーであり続けていただくよう心から期待します。 |
また、地球環境基金助成事業への道を拓いていただいた、独立行政法人環境再生保全機構に対して、 |
深甚なる謝意を表します。 |
さらに、無報酬のボランティア活動で真摯に格付活動を推進していただいた、学会員諸兄姉に対し、 |
衷心より敬意と感謝の意を表します。 |
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2007年8月 |
特定非営利活動法人環境経営学会 |
理事格付推進委員長 中村 晴永 |
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